Japanese
English
今月の主題 知っておきたい特殊な食道腫瘍・腫瘍様病変
症例アトラス
食道原発腺様囊胞癌
Adenoid Cystic Carcinoma of the Esophagus
草深 公秀
1,2
Kimihide Kusafuka
1,2
1静岡県立総合病院病理学部
2静岡県立静岡がんセンター病理診断科
キーワード:
腺様嚢胞癌
,
粘膜下腫瘍
,
篩状構造
,
2層性
,
c-Myb
Keyword:
腺様嚢胞癌
,
粘膜下腫瘍
,
篩状構造
,
2層性
,
c-Myb
pp.1448-1451
発行日 2019年9月25日
Published Date 2019/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201847
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はじめに
食道にも固有食道腺があることから,小唾液腺と同様に唾液腺型腫瘍がまれに発生するとされており,散発性に症例報告がある.その中でも食道原発腺様囊胞癌は全食道悪性腫瘍の0.1%以下を占めるとされているが1)〜3),実際には極めてまれであると考えられている.病理組織像は概ね唾液腺原発の腺様囊胞癌と同様であるが,食道原発の場合には類基底細胞(扁平上皮)癌(basaloid squamous cell carcinoma ; BSC)が類似の組織像を示すことがあるので,鑑別診断においては注意が必要である4).過去の文献をみるとBSCと思われる症例が“腺様囊胞癌”として報告されていることがしばしば見受けられる5)〜7).食道原発腺様囊胞癌症例の平均年齢は66.4歳で,男女比は5:1で男性に多いとの報告がある2).生検での診断は通常困難である8).
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