Japanese
English
症例報告
左示指に生じた表在性皮膚脂肪腫性母斑の1例
A case of nevus lipomatosus cutaneous superficialis of the left index finger
曽根 明衣子
1
,
福屋 泰子
1
,
鈴木 瑞穂
1
,
石黒 直子
1
Meiko SONE
1
,
Yasuko FUKUYA
1
,
Mizuho SUZUKI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
表在性皮膚脂肪腫性母斑
,
単発型
,
手指
Keyword:
表在性皮膚脂肪腫性母斑
,
単発型
,
手指
pp.509-513
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206720
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要約 54歳,男性.6年前より左第2指に自覚症状のない結節が出現し,緩徐に増大したため当科を受診した.初診時,左第2指の後爪郭部になだらかに隆起した10×5mmの常色結節があり,その中枢側に連続して10×15mmの有茎性で表面平滑な軟らかい常色結節がみられた.病理組織所見では有茎性結節部の真皮上層から後爪郭部の結節の皮下脂肪織に至るまで連続性に成熟した脂肪細胞の増殖を認めた.病変内には少数の汗腺組織や小血管の増生を見る部分もあった.以上より表在性皮膚脂肪腫性母斑と診断した.表在性皮膚脂肪腫性母斑のほとんどが腰臀部に生じる多発例で,単発で手指に生じた報告はこれまでにないことから,貴重な症例と考えた.有茎性の軟らかい常色結節を見た場合,その鑑別として表在性皮膚脂肪腫性母斑を挙げ,病変の皮下脂肪織への連続性まで考慮して,画像検索や治療を検討すべきと考えた.
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