Japanese
English
症例報告
左臀部に生じた単発型表在性皮膚脂肪腫性母斑の1例
A case of solitary nevus lipomatosus cutaneous superficialis of the buttock
平林 恵
1
,
帆足 俊彦
1
Megumi HIRABAYASHI
1
,
Toshihiko HOASHI
1
1東京都教職員互助会三楽病院皮膚科
1Department of Dermatology,Sanraku Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
表在性皮膚脂肪腫性母斑
,
異所性脂肪細胞
,
軟性線維腫
,
糖尿病
Keyword:
表在性皮膚脂肪腫性母斑
,
異所性脂肪細胞
,
軟性線維腫
,
糖尿病
pp.235-238
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103196
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要約 72歳,男性.約1年前より左臀部に腫瘤があり,徐々に増大してきたため受診した.初診時左臀部に皮膚色で弾性軟な半球状の胡桃大腫瘤があった.切除したところ病理組織学的には真皮に異所性に成熟脂肪細胞の島嶼状の増殖がみられ,単発型の表在性皮膚脂肪腫性母斑と診断した.脂肪細胞は付属器や血管の周囲に増殖しており,真皮膠原線維が膨化していることから,軟性線維腫とは鑑別しえた.本症は間葉成分および付属器成分双方の過誤腫性増殖と推測されている.発症機序に関してはいくつかの議論があるが,好発部位の1つである臀部は圧迫,摩擦やせん断(ずれの作用)を受けやすい部位であり,機械的刺激が関与している可能性がある.
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