Japanese
English
症例報告
巨大な表在性脂肪腫性母斑の1例
A case of giant nevus lipomatosus cutaneus superficialis
金子 高英
1
,
白石 正彦
1
,
野村 和夫
1
Takahide KANEKO
1
,
Masahiko SHIRAISHI
1
,
Kazuo NOMURA
1
1青森県立中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Aomori Prefectural Central Hospital
キーワード:
表在性脂肪腫性母斑
Keyword:
表在性脂肪腫性母斑
pp.237-239
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902806
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
64歳,男性.50年来右臀部に巨大腫瘤がある.その性状は淡褐色の結節が多数融合し,18×10cm大の桑の実状の一塊の腫瘤を形成していた.多発型の表在性脂肪腫性母斑と診断し,単純切除後V-Y形成術を施行した.組織は,真皮網状層から深層にかけて,異所性の脂肪組織の増殖が見られた.本邦における巨大例12例について文献的に考察したところ,初診時年齢は10代4人,20代2人,30代3人,40代1人,60代1人,70代1人であり,男女比は5:7であった.発生部位は4例が腰部,5例が臀部に,また腰臀部,背部,大腿部各1例であった.罹病期間は最短4年,最長55年で,平均23年であった.本症の巨大化の病理学的機序は不明であるが,臨床的要因としては腰臀部での発生と,長期の罹病期間が想定された.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.