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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022
4.皮膚疾患治療のポイント
進行性尋常性白斑に対する経静脈的メチルプレドニゾロンパルス療法の有効性と安全性
Efficacy and safety of intravenous methylprednisolone pulse therapy for progressive vitiligo vulgaris
入間田 萌花
1
,
瀬川 優里恵
1
,
佐々木 留伊
1
,
八丁目 直和
1
,
山﨑 研志
1
Moyuka WADA-IRIMADA
1
,
Yurie SEGAWA
1
,
Rui SASAKI
1
,
Naokazu HATCHOME
1
,
Kenshi YAMASAKI
1
1東北大学大学院医学研究科皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
尋常性白斑
,
経静脈的メチルプレドニゾロンパルス療法
,
後方視的研究
,
効果予測因子
Keyword:
尋常性白斑
,
経静脈的メチルプレドニゾロンパルス療法
,
後方視的研究
,
効果予測因子
pp.121-126
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206667
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summary
進行性尋常性白斑に対して,ステロイド外用やナローバンドUVB(NbUVB)を行っても,脱色素斑の進行が止められないことにしばしば遭遇する.一方,難治性尋常性白斑に対する全身性ステロイド療法のエビデンスは乏しく症例報告もまだ少ない.われわれは過去10年間の進行性尋常性白斑33例に対して行われた58回の経静脈的メチルプレドニゾロンパルス療法(intravenous methylprednisolone pulse therapy:IVMP)の有効性と安全性に関して後方視的に探索を行った.投与から6か月後の時点で14/25例(56%)に脱色素斑拡大の抑制がみられ,12/19例(63%)に25%以上の再色素沈着がみられた.しかしながら,VASI(vitiligo area scoring index)が10以上の中等〜重症群では,IVMP後にも病勢の進行を示す患者の割合が多かった.IVMPによる重篤な有害事象は認められなかった.以上より,IVMPは,安全かつ有効な治療法であると考えられる.また,VASIがIVMPの効果予測因子となる可能性が明らかになった.
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