Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
III 治療のトピックス
表皮移植による尋常性白斑の治療
Epidermal grafting in the treatment of vitiligo
古賀 道之
1
Michiyuki KOGA
1
1東京医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical College
キーワード:
尋常性白斑
,
表皮移植術
,
吸引水疱
,
白斑の分類
,
白斑の自然経過
Keyword:
尋常性白斑
,
表皮移植術
,
吸引水疱
,
白斑の分類
,
白斑の自然経過
pp.591-594
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900110
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尋常性白斑の治療における吸引水疱蓋を用いた表皮移植術の適応,手技,成績,長所と欠点について述べた.本法は拡大期を過ぎたB型白斑に対してはfirst choiceの治療法であり,永久治癒が得られる.白斑部表皮はPUVA水疱として除去し,得られた糜爛面は鋭匙で軽く血がにじむ程度に,均等に擦過することが大切で,ここにフィブリンを取り除いた吸引水疱蓋を隙間なく敷きつめる.抗生物質軟膏浸漬ガーゼでおさえて固定し,2〜3週後,上皮化と共にガーゼが脱落するのを待つ.技術的に問題がなければ,B型白斑ではほぼ全例に正常色調の色素再生が得られ,再脱色はなく,donor,graftいずれの場所にも瘢痕を残さない.時間と労力がかかり,一度に手術できる範囲が限られるため,やや広範囲の病巣にはメラノサイト移植術のほうがよいが,鶏卵大位までの病巣であれば,本法のほうが簡便である.
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