Japanese
English
症例報告
小児と若年者に生じた結節性多発動脈炎の2例
A pediatric and a juvenile case of polyarteritis nodosa
田中 弘子
1
,
中馬 久美子
1
,
鑑 慎司
1
,
日野 治子
1
,
西尾 晴子
2
,
渡邉 浩
3
Hiroko TANAKA-MIZUTSUGU
1
,
Kumiko CHUMAN
1
,
Shinji KAGAMI
1
,
Haruko HINO
1
,
Haruko NISHIO
2
,
Hiroshi WATANABE
3
1公立学校共済組合関東中央病院皮膚科
2つるまき皮膚科
3渡辺クリニック
1Division of Dermatology, Kanto Central Hospital of the Mutual Aid Association of Public School Teachers, Tokyo, Japan
2Tsurumaki Dermatology, Tokyo, Japan
3Watanabe Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
結節性多発動脈炎
,
川崎病
Keyword:
結節性多発動脈炎
,
川崎病
pp.219-224
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206597
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要約 症例1:23歳,女性.初診3か月前より2週間ほど発熱あり,いったん解熱した.初診2か月前から両下腿に軽度の圧痛を伴い浸潤を触れる紅斑と足・膝関節痛が出現した.症例2:10歳,男児.初診2週間前から足関節痛を,1週間前から右下腿に疼痛を伴う紅斑を自覚した.いずれの症例も抗核抗体は陰性で,皮膚生検で脂肪織内の動脈に炎症細胞の浸潤,血管壁のフィブリノイド変性を認め,結節性多発動脈炎と診断した.2例ともプレドニゾロン内服開始し,紅斑は消失した.その後の経過で再発を認めていない.結節性多発血管炎は稀な疾患であるが,診断の遅れは不可逆的な臓器不全を起こす可能性があるため,皮疹と発熱を呈する例では鑑別に入れることが重要である.早期診断のためにも皮膚症状がある場合は積極的な皮膚生検が望まれる.
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