Japanese
English
症例報告
再発時に生じた皮疹の生検により組織球性壊死性リンパ節炎と考えた1例
A case of histiocytic necrotizing lymphadenitis diagnosed by biopsy of a rash at the time of recurrence
渡部 桃子
1
,
妹尾 春佳
1
,
山下 彩
1
,
大谷 稔男
1
,
中務 治重
2
Momoko WATANABE
1
,
Haruka SENOH
1
,
Aya YAMASHITA
1
,
Toshio OHTANI
1
,
Harushige NAKATSUKASA
2
1倉敷中央病院皮膚科
2水島中央病院内科
1Division of Dermatology, Kurashiki Central Hospital, Kurashiki, Japan
2Division of Medicine, Mizushima Central Hospital, Kurashiki, Japan
キーワード:
伝染性単核球症
,
組織球性壊死性リンパ節炎
,
抗EBウイルス抗体
,
腸間膜リンパ節
Keyword:
伝染性単核球症
,
組織球性壊死性リンパ節炎
,
抗EBウイルス抗体
,
腸間膜リンパ節
pp.214-218
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206596
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要約 16歳,男性.2か月前に39℃の発熱と左頸部リンパ節の腫脹,腹痛,下痢を認め,近医内科を受診した.伝染性単核球症が疑われ,アセトアミノフェンを処方された.1週後には症状は消失したが,さらに2週後,発熱と左頸部リンパ節腫脹が再燃した.再びアセトアミノフェンを内服し,5日程度で治まった.その3週後,発熱を伴って体幹・四肢の紅斑がみられるようになったため,当院救急内科を受診し,当科に入院した.頸部リンパ節の腫脹は認めなかったが,CTで回結腸動脈リンパ節が腫大していた.紅斑の病理組織学的所見は,組織球性壊死性リンパ節炎(histiocytic necrotizing lymphadenitis:HNL)として矛盾しなかった.前医からの一連の症状もHNLによるものと考えた.HNLは再発時に初めて皮膚科を受診する可能性もある.再発時には,頸部リンパ節腫脹などの典型的所見がみられないこともあり,診断に際して留意する必要がある.
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