Japanese
English
症例報告
炎症後に被覆皮膚に色素沈着をきたしたpigmented pilomatricomaの1例
A case of pigmented pilomatricoma causing skin pigmentation after the associated inflammation
齋藤 龍一
1,2
,
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Ryuichi SAITO
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
毛母腫
,
pigmented pilomatricoma
,
色素沈着
,
Tyndall現象
Keyword:
毛母腫
,
pigmented pilomatricoma
,
色素沈着
,
Tyndall現象
pp.131-135
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206577
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要約 16歳,女性.右頰部の35×25mmの発赤,排膿を伴う囊腫状腫瘤を主訴に当科を受診した.炎症を伴った毛母腫として切開排膿したところ,炎症症状は消退したが,被覆皮膚に灰青色の色素沈着が残った.初診後5か月で残存する皮下結節とともに色素沈着を伴う被覆皮膚も切除した.切除標本ではメラニンを豊富に含む陰影細胞と好塩基性細胞間に樹状メラノサイトがみられ,pigmented pilomatricomaと診断した.本症は毛母腫の一亜型であり,欧米では稀であるが,本邦からの報告では欧米よりも頻度が高いとされる.臨床的な色素沈着を伴うとは限らないが,周囲の間質内に大量のメラノファージが存在することがある.本症においては上皮成分からなる腫瘍塊のみの摘出では色素沈着を残す恐れがあり,手術時には注意が必要である.
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