Japanese
English
症例報告
肉芽腫性外陰炎の1例
A case of vulvitis granulomatosa
秋本 訓秀
1
,
長尾 映里
1
,
安部 文人
1
,
三津山 信治
1
,
木村 雅明
1
,
樋口 哲也
1
Norihide AKIMOTO
1
,
Eri NAGAO
1
,
Fumihito ABE
1
,
Shinji MITSUYAMA
1
,
Masaaki KIMURA
1
,
Tetsuya HIGUCHI
1
1東邦大学医療センター佐倉病院皮膚科
1Department of Dermatology, Toho University Sakura Medical Center, Sakura, Japan
キーワード:
肉芽腫性外陰炎
,
トラニラスト
,
類上皮肉芽種
Keyword:
肉芽腫性外陰炎
,
トラニラスト
,
類上皮肉芽種
pp.125-129
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206576
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要約 6歳,女児.初診7か月前から左外陰部に腫脹を伴う紅斑が出現し,自転車の搭乗時に陰部に軽度の圧痛を自覚していた.近医を受診し亜鉛華軟膏やステロイドの外用治療を行ったが改善なく当科紹介となった.皮膚組織所見にて真皮の浅層から深層にかけてLanghans型の巨細胞を伴う類上皮細胞肉芽腫が認められた.血液検査,身体所見にて左外陰部の腫脹以外に特記所見は認められなかったことにより,肉芽腫性外陰炎と診断した.治療としてトラニラストの内服治療を開始したところ,腫脹と紅斑は消退し良好な結果が得られた.肉芽腫性外陰炎は外陰部に慢性的な肉芽腫性病変が発生する稀な疾患である.肉芽腫性外陰炎はいまだ発症機序が明らかになっておらず,治療法も確立していないが,トラニラストは治療選択肢として有用であると考えられた.
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