Japanese
English
症例報告
潰瘍を伴う角化性局面が被角血管腫様の組織像を呈した男性外陰部硬化性苔癬の1例
A case of male genital lichen sclerosus showing angiokeratoma-like histological features in the hyperkeratotic plaque with ulceration
齋藤 龍一
1,2
,
長谷川 道子
1
,
日高 太陽
1,2
,
田村 敦志
1
Ryuichi SAITO
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Taiyo HITAKA
1,2
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
硬化性苔癬
,
被角血管腫
,
発癌
,
陰茎絞扼
,
外科的治療
Keyword:
硬化性苔癬
,
被角血管腫
,
発癌
,
陰茎絞扼
,
外科的治療
pp.117-123
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206575
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要約 49歳,男性.初診の約1年前より陰茎に白色斑がみられ,半年前より包皮の狭窄や排尿障害が出現した.初診時,包皮から亀頭にかけて白色から灰褐色の局面があり,包皮は陰茎を絞扼するように一部で狭小化していた.また,亀頭腹側の外尿道口周囲には潰瘍を伴う角化性局面もみられた.硬化性苔癬からの発癌を疑い,生検したところ亀頭の角化性局面では著明な角質増生があり,真皮乳頭層の硝子化した膠原線維間には拡張した血管が充満して,被角血管腫様の組織像を呈していた.硬化性苔癬と診断し,包皮切除術を行った.術後,陰茎絞扼症状は速やかに改善し,亀頭の残存病変はジフルプレドナート外用で軽快した.本症において被角血管腫様の組織像を認めることは稀であるが,自験例のように表皮直下の血管拡張や浮腫が高度になることで,表皮の栄養障害や皮膚の脆弱性を生じ,発癌を疑うような角化や潰瘍形成をきたす場合にはありうると推察した.
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