Japanese
English
症例報告
爪囲線維腫から診断に至った結節性硬化症の母子例
Family case of tuberous sclerosis diagnosed by periungual fibroma
丸田 志野
1
,
押川 由佳
1
,
守屋 千賀子
1
Shino MARUTA
1
,
Yuka OSHIKAWA
1
,
Chikako MORIYA
1
1熊本労災病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kumamo Rosai Hospital, Kumamoto, Japan
キーワード:
結節性硬化症
,
顔面血管線維腫
,
爪囲線維腫
,
シャグリンパッチ
,
シロリムス
Keyword:
結節性硬化症
,
顔面血管線維腫
,
爪囲線維腫
,
シャグリンパッチ
,
シロリムス
pp.1081-1087
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206536
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要約 50歳,女性.10年以上前から足趾爪基部に腫瘍ができるようになり,冷凍凝固療法で除去するも再燃を繰り返すため当科に紹介された.初診時右拇趾に8mm大の常色皮膚腫瘍を認め,爪は圧排されて変形していた.他の足趾にも同様の腫瘍を認めた.右拇趾から全摘生検を施行し,真皮内に膠原線維と線維芽細胞の増生を認め爪囲線維腫と診断した.多発していたことから結節性硬化症の可能性を考え全身を診察したところ,顔面血管線維腫やシャグリンパッチ,頭部単純CTで上衣下結節を認め,結節性硬化症と診断した.家族歴を聴取したところ息子も幼少期より皮膚病変があり,後日診察し結節性硬化症と診断した.皮膚病変に対しシロリムス外用を行った結果,顔面血管線維腫は著明改善,シャグリンパッチは軽度改善した.シロリムス外用の治療効果は病変の種類や外用アドヒアランスに影響される可能性があり安全性や維持療法を含め今後のさらなる症例の蓄積が期待される.
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