Japanese
English
症例報告
30歳台男性の左大転子部に生じ難治性潰瘍から類上皮肉腫の診断に至った1例
A case of epithelioid sarcoma diagnosed from a refractory ulcer on the left trochanter
豊島 進
1
,
堀川 弘登
1
,
山崎 一人
2
,
佐藤 友隆
1
Susumu TOSHIMA
1
,
Hiroto HORIKAWA
1
,
Kazuto YAMAZAKI
2
,
Tomotaka SATO
1
1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター病理部
1Department of Dermatology, Teikyo University Chiba Medical Center, Chiba, Japan
2Department of Pathology, Teikyo University Chiba Medical Center, Chiba, Japan
キーワード:
類上皮肉腫
,
デブリードマン
,
上皮化後再発
,
大転子部
Keyword:
類上皮肉腫
,
デブリードマン
,
上皮化後再発
,
大転子部
pp.1089-1095
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206538
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要約 36歳,男性.特記すべき既往歴はない.X年1月に左大腿大転子部を石材にぶつけて受傷後,小指頭大の潰瘍が出現.出血を繰り返し拡大した.近医で加療されたが改善せず,X年2月に当院受診.受診時約15mm大,深さ約7mmの辺縁に硬結を触れる潰瘍を認めた.X年6月には上皮化を得たが,X+1年5月ごろに同部位に潰瘍が再発した.再発後は創閉鎖を得ることはなく当院への通院を中断,以降近医で外用やデブリードマンが行われた.X+4年6月,創部はさらに拡大し当院再紹介,再診時70mm大の中央に壊死組織を伴い辺縁が堤防状に隆起した深い潰瘍を認め,生検病理で真皮内に核分裂像を伴う紡錘形異型細胞の増生を認めた.免疫染色ではCD34,サイトケラチンAE1/3,EMAが陽性,サイトケラチン5/6,SMARCB1(INI1)が陰性で類上皮肉腫と診断した.類上皮肉腫は若年者に好発する間葉系の悪性腫瘍である.稀な肉腫だが,高率に肺やリンパ節への転移をきたし予後不良となるため,若年者の難治性潰瘍の鑑別として重要であると考え報告する.
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