Japanese
English
症例報告
寡分割照射にて局所制御しえた高齢者頸部有棘細胞癌の1例
A case of eldery squamous cell carcinoma of the neck treated with hypofractionated radiotherapy
杉岡 恭子
1
,
中井 康雄
1
,
波部 幸司
1
,
山中 恵一
1
Kyoko SUGIOKA
1
,
Yasuo NAKAI
1
,
Koji HABE
1
,
Keiichi YAMANAKA
1
1三重大学医学部附属病院皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Mie University Hospital, Tsu, Japan
キーワード:
有棘細胞癌
,
放射線治療
,
寡分割照射
Keyword:
有棘細胞癌
,
放射線治療
,
寡分割照射
pp.995-998
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206516
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要約 90歳台,男性.初診1年6か月前に右頸部腫瘤を自覚した.初診2か月前から急速増大し,精査目的に当科を初診した.右頸部に4×5cm大,可動性不良な紅色腫瘤を認め,生検で有棘細胞癌と診断した.CTでリンパ節転移や遠隔転移は認めないものの,胸鎖乳突筋への浸潤を認め,皮膚原発有棘細胞癌Stage Ⅲと診断した.超高齢,耐術能低下より手術不能例と判断し,放射線治療を選択した.週5回の照射が推奨される照射方法であるが,患者側の事情により週3回の寡分割照射を施行し,局所制御に至った.有棘細胞癌をはじめ,皮膚悪性腫瘍領域における寡分割照射のエビデンスは乏しく,有用性の検証と確立にはさらなる症例の蓄積が望まれると考えるが,自験例のように標準治療に耐えられない皮膚悪性腫瘍患者に積極的に本治療を試みることは患者QOL向上に役立つものと考えられる.
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