マイオピニオン
オールド・ルーキーの告白
堺 則康
1,2
Noriyasu SAKAI
1,2
1東京医科大学病院皮膚科
2希望ヶ丘すずらん皮膚科クリニック
pp.746-747
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206463
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1. はじめに
私は,研修医時代から16年間勤めた日本医科大学皮膚科を2010年に退職し,大学時代の元同僚2名とともに,東京都大田区に「希望ヶ丘すずらん皮膚科クリニック」を新規開設しました.そして,院長を約10年間務めました.クリニックの運営は,順調だったと思います.同じく2010年から,東京医科大学皮膚科学分野の非常勤講師として勤務させていただきました.その後,2020年4月から,原田和俊主任教授のもと,常勤の准教授を務めさせていただいています.
人によっては,「何ごとか」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません.継承でもなく,自らで一から立ち上げたクリニックがうまく回っていたのに,また大学に勤務するなんて,どんな奇特な人だと思われるかもしれません.しかし,そんなことはありません.先例として,東邦大学医療センター大森病院の瓜田純久先生(現病院長)は,一度ご開業されたのちに,クリニックを閉院され,改めて総合診療・救急医学講座に入られたと伺っています.世の中には,進行中の仕事が問題なく進んでいても,何らかの次のステップへ歩むことをよしとする人もいます.
しかしながら,大半の人が歩むキャリア・ルートとは逆行しているのも事実だと思います.今回は,その自分の経験についてお話ししたいと思います.
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