特集 プライマリ・ケア医/危機一髪 日常診療で困ったら
コミュニケーションの危機一髪
患者から告白された!!
齊藤 裕之
1
1東京医科大学病院総合診療科
キーワード:
医師と患者の距離感
,
境界線を引く
Keyword:
医師と患者の距離感
,
境界線を引く
pp.368-371
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100287
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近年,外来研修が注目され,若い医師が診療所や病院の一般外来で診療を行うようになってきた.診察室はプライバシーに配慮された作りになり,医師と患者が落ち着いた環境で面接を行えるようになっている.しかし,それにより医師と患者の関係が近づきすぎ,症例のような出来事に遭遇するかもしれない.本稿では,①告白を未然に防ぐにはどのような対応をすべきか,②告白された時の対応,に的を絞って解説していく(患者の精神分析や治療方法に関しては割愛する).
問題の焦点・問題解決の糸口
この症例では一見,強い信頼関係を築いていた医師と患者が,「告白」をきっかけにその関係を崩し,患者が自傷行為に至るといった衝撃的な結末を迎えている.では,なぜこのようなことになってしまったのか? 医師の対応に焦点を当てると,大きく告白前と告白を受けた時の2つに分けることができる.
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