OPINION
オールドノーマルと守破離
濱野 高行
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科
pp.1387-1388
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001502
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新型コロナウイルス感染症のパンデミックについて,以下,7 月13 日のロイター通信から引用する.「〔世界保健機関(WHO)の〕テドロス事務局長は,『あまりにも多くの国が間違った方向に進んでいる』と懸念を表明.『予見可能な将来においてオールドノーマルに戻ることはない.多くの懸念が存在する』とし,『基本的なことが守られなければ,パンデミックは悪化の一途をたどる』と警鐘を鳴らした」さて,ここでのオールドノーマルとはどういう意味であろうか? 辞書的には,「これまでの標準」ということであり,ここの文脈上ではたとえばマスクをせずに外出をするなどということになろう.しかし,そもそもWHO は健康な人が着用しても感染を予防できる根拠がないとしてマスク着用を推奨していなかったにもかかわらず,平然と6 月5 日にこの指針を大幅に変更した.間違った方向に誘導したのは,WHO では? という議論はあえてここではしない.
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