Japanese
English
症例報告
数珠様結節を呈した左上肢リンパ型皮膚ノカルジア症の1例
A case of primary lymphocutaneous nocardiosis with linear chain of nodular lesions on the left upper limb
稲葉 弥寿子
1
,
伊佐見 真実子
1
,
鶴田 京子
1
,
杉浦 一充
2
Yasuko INABA
1
,
Mamiko ISAMI
1
,
Kyoko TSURUTA
1
,
Kazumitsu SUGIURA
2
1大同病院皮膚科
2藤田医科大学医学部皮膚科
1Division of Dermatology, Daido Hospital, Nagoya Japan
2Department of Dermatology, School of Medicine, Fujita Health University, Toyoake, Japan
キーワード:
皮膚リンパ型ノカルジア症
,
数珠様結節
,
培養条件
,
マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析
Keyword:
皮膚リンパ型ノカルジア症
,
数珠様結節
,
培養条件
,
マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析
pp.707-711
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206453
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要約 左上肢に数珠様結節を呈した60歳,男性の皮膚リンパ型ノカルジア症を報告した.左手関節皮膚潰瘍と左前腕と上腕の数珠様結節を認めメロペネムで軽快した.上腕結節部の膿など4か所11条件で培養し1か所のみ小さなコロニーを認めマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析でNocardia brasiliensisが同定された.培養提出から結果判明まで18日間を要した.数珠様結節を呈する疾患は他にもスポロトリコーシス,Mycobacterium marinum,皮膚クリプトコッカス症の報告がある.いずれも一般的な条件では培養されない可能性が高い.数珠様結節を呈する疾患において培養を提出する際に設定したほうがよい条件を文献的考察を交えて検討した.具体的には,①1週間以上培養をする,②室温培養も追加する,③抗酸菌は30℃設定も追加する,④シクロヘキシミドを加えないサブロー・ブドウ糖寒天培地を使用するなどを考慮したほうがよいと考えらえた.
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