Japanese
English
症例報告
舌腫瘍が疑われた再感染第2期梅毒の1例
A case of re-infected secondary syphilis presenting a tongue lesion initially suspected as a tumor
磯貝 理恵子
1
,
山田 秀和
1
,
若狭 朋子
2
,
岩本 展子
3
,
長田 哲次
3
Rieko ISOGAI
1
,
Hidekazu YAMADA
1
,
Tomoko WAKASA
2
,
Nobuko IWAMOTO
3
,
Tetsuji NAGATA
3
1近畿大学奈良病院皮膚科
2近畿大学奈良病院病理診断科
3近畿大学奈良病院口腔外科
1Department of Dermatology, Kindai University Nara Hospital, Ikoma, Japan
2Department of Diagnostic Pathology, Kindai University Nara Hospital, Ikoma, Japan
3Department of Oral Surgery, Kindai University Nara Hospital, Ikoma, Japan
キーワード:
再感染第2期梅毒
,
梅毒性粘膜疹
,
舌腫瘍
,
梅毒性肝障害
,
梅毒性乾癬
Keyword:
再感染第2期梅毒
,
梅毒性粘膜疹
,
舌腫瘍
,
梅毒性肝障害
,
梅毒性乾癬
pp.617-621
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206433
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要約 35歳,女性,職業commercial sex worker.初診の9か月前に治癒が確認された梅毒の感染歴がある.初診の3か月前に徐々に増大する舌の腫瘤に気づき,当院口腔外科を受診した.舌中央部に不規則な弾性硬の結節があり,舌腫瘍を疑い生検を行った.組織で表皮直下に形質細胞の著しい集簇を認め,梅毒が疑われたため,精査・治療目的で皮膚科に紹介された.血清反応検査はRPR 64倍,TPHA 81,920倍,免疫染色で表皮細胞間にらせん状の菌体を多数認めた.両手掌の丘疹性紅斑を伴っており,再感染第2期梅毒と診断した.肝胆道系酵素の上昇があり,梅毒性肝障害を伴っていた.自覚症状のない,舌に孤立性結節として生じた第2期梅毒の舌病変の報告は比較的稀である.近年,口腔粘膜疹が初発症状となる梅毒症例が増えており,皮膚科医としても注意が必要である.駆梅療法を受けている場合は非典型的な臨床像・検査結果を呈するため,患者の職業,病歴聴取も重要である.
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