アトピー性皮膚炎をもつ児の「かゆみ」と「睡眠」の問題 -—どのように対応するか

かゆみによる不眠は，アトピー性皮膚炎（AD）の全年齢層における重要な治療課題である．しつこいかゆみと掻破による入眠障害，中途覚醒，熟眠感の低下，昼間の眠気や活動性の低下が指摘されている．夜間のかゆみや睡眠障害を客観的にとらえる方法としてのアクティグラフィー（AG）が注目されており，掻破を選択的に検出するスマートフォンアプリ（Itch Tracker）や睡眠を計測するシート型体振動計（眠りSCAN^®）が開発された．夜間のかゆみと不眠への対処の基本は，AD自体の治療によるかゆみの軽減であり，抗炎症外用薬の効果的な使用法やIL-4，IL-13やIL-31を標的とした新たな治療薬の効用が期待されている．