特集 変わりつつあるアトピー性皮膚炎の常識―最新の知識と治療の極意
第Ⅰ章 最新の知識
1 アトピー性皮膚炎の病態
-―新たな潮流―
古江 増隆
1
Masutaka FURUE
1
1九州大学大学院,皮膚科学
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
IL-4
,
IL-13
,
IL-31
,
IL-33
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
IL-4
,
IL-13
,
IL-31
,
IL-33
pp.704-712
発行日 2019年5月31日
Published Date 2019/5/31
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001374
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最新の知識
◆2型サイトカインであるインターロイキン(IL)-4やIL-13がアトピー性皮膚炎の炎症に根幹的に関与することが,本症にデュピルマブが奏効するという事実から確実となった。
◆IL-4やIL-13はフィラグリンの発現を低下させ,バリア障害を惹起する。
◆バリア障害をきたした表皮細胞からthymic stromal lymphopoietin(TSLP),IL-25やIL-33が産生されることによって2型免疫偏移が助長される。
◆主要なアレルゲンはプロテアーゼ活性を示し長鎖IL-33を切断し,より活性化された短鎖IL-33に変換するために2型免疫偏移が助長される。
◆2型サイトカインであるIL-31は知覚神経に作用し痒みを引き起こす。
◆IL-4やIL-13は,IL-31による痒みを増強する。
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