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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
1.最近話題の皮膚疾患
Granular parakeratosis
Granular parakeratosis
藤井 瑞恵
1
,
山本 明美
1
Mizue FUJII
1
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
1旭川医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
キーワード:
granular parakeratosis
,
塩化アルミニウム
,
フィラグリン
,
アポトーシス
Keyword:
granular parakeratosis
,
塩化アルミニウム
,
フィラグリン
,
アポトーシス
pp.28-35
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206325
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Granular parakeratosis(GP)とは稀な角化異常症であり,病理学的に好塩基性顆粒を混じるcompact hyperkeratosisを認めるのが最大の特徴である.臨床的に腋窩や鼠径部などに紅色から褐色の角化性丘疹を形成し,次第に癒合し局面を形成する.以前より塩化アルミニウムを主成分とする制汗剤によるGPの報告を多数認めるが,その発症機序は不明な点が多い.今回われわれは塩化アルミニウムをマウスに塗布したところ,GPに類似した臨床所見および病理所見を呈した.よって,塩化アルミニウム塗布マウスをGPモデルマウスとしてさらに詳細な検討を実施した.その結果塩化アルミニウム塗布により角化細胞のアポトーシスが誘導され,角化細胞での角化停止が生じ,その結果顆粒層でのプロフィラグリンのプロセッシング障害を認め,結果的にGPに特徴的な角層での特徴的な好塩基性顆粒残存が生じると考えられた.
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