Japanese
English
症例報告
腹部に生じた有茎性基底細胞癌の1例
A case of pedunculated basal cell carcinoma of the abdomen
花岡 佑真
1
,
松井 佐起
1
,
福山 國太郎
1
Yuma HANAOKA
1
,
Saki MATSUI
1
,
Kunitaro FUKUYAMA
1
1関西労災病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kansai Rosai Hospital, Amagasaki, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
有茎性
,
腹部
,
ダーモスコピー
Keyword:
基底細胞癌
,
有茎性
,
腹部
,
ダーモスコピー
pp.935-938
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204593
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要約 74歳,男性.1年数か月前から腹部に自覚症状のない結節が出現し,徐々に増大して血性滲出液を伴ってきたため,受診した.右側腹部に径52×40mmで高さ10mmの有茎性茸状のびらんを伴う灰黒色腫瘤を認めた.ダーモスコピーでは明らかなlarge blue-gray ovoid nestsやmultiple blue-gray globulesの所見はみられず,blue-white veilや不規則な血管拡張を認めた.以上より悪性黒色腫の可能性も考え,生検を施行し,基底細胞癌と診断した.基底細胞癌の体幹発症は全体の1割程度で表在型の割合が多いが,有茎性腫瘤を呈する場合もある.また基底細胞癌と悪性黒色腫では悪性度が大きく異なり切除範囲も違うため,臨床像やダーモスコピー所見から診断困難な場合は,部分生検を行い,診断を確定させてから治療方針を考えるのがより好ましいと考えた.
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