Japanese
English
症例報告
母親の抗SS-A/SS-B抗体高値より発症が予測されていた新生児エリテマトーデスの1例
A case of neonatal lupus erythematosus predicted by high maternal anti-SS-A/SS-B antibody levels
吉田 春奈
1
,
田代 康哉
1
,
渡辺 秀晃
1
,
末木 博彦
1
Haruna YOSHIDA
1
,
Yasuya TASHIRO
1
,
Hideaki WATANABE
1
,
Hirohiko SUEKI
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
新生児エリテマトーデス
,
抗SS-A/SS-B抗体
Keyword:
新生児エリテマトーデス
,
抗SS-A/SS-B抗体
pp.1046-1050
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206219
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 1か月,男児.母親はSjögren症候群に罹患.姉は出生時抗SS-A/SS-B抗体高値のみで,新生児エリテマトーデスは発症しなかった.日齢30日頃からほぼ全身に爪甲大までの類円形紅斑が多発.一部環状を呈する.抗SS-A抗体183.1U/ml,抗SS-B抗体315.3U/mlと高値であった.皮膚生検にて,表皮基底部に液状変性あり,真皮血管周囲と表皮内にリンパ球浸潤を認めた.蛍光抗体直接法は陰性であった.初診1か月後には抗SS-A/SS-B抗体価が低下し,皮疹も5か月後に自然軽快した.母親のSjögren症候群の影響により,姉はより高い抗SS-A/SS-B抗体価にもかかわらず新生児エリテマトーデスは発症しなかったが,自験例本児は発症したため,抗体価の値だけでなく遺伝子など他の要因の発症への関与が示唆された.母親がSjögren症候群に罹患している場合,出生前から胎児心電図に注意し,出生後も心ブロックの有無について経過観察が必要である.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.