特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体
藤田 義正
1
,
梅原 久範
1
1金沢医科大学血液免疫制御学
pp.456-457
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104818
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
抗SS-A(Sjögren's syndrome A)/Ro抗体,抗SS-B(Sjögren's syndrome B)/La抗体はいずれも,非ヒストン核蛋白質に対する抗核抗体で,Sjögren症候群患者血清から発見された.SS-A/Ro抗原は主に細胞質に存在する低分子RNP(ribonucleoprotein:リボ核蛋白)で,hYRNAと60kDaおよび52kDa蛋白との複合体である.SS-B/La抗原はhYRNA,tRNA前駆体,5SrRNAなどの低分子RNAを結合した48kDa蛋白で,RNA polymerase Ⅲのtranscription termination factorである.
SS-B/La抗原はhYRNAを介しSS-A/Ro抗原と複合体を形成することが報告されている.臨床的には抗SS-A/Ro抗体は単独で検出されるのに対し,抗SS-B/La抗体はほぼ抗SS-A/Ro抗体とともに出現するが,このような両抗原の分子的性状がその理由と考えられている.
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