特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗Ro/SS-A抗体,抗La/SS-B抗体
下山 久美子
1
,
小川 法良
1
,
菅井 進
1
1金沢医科大学血液免疫制御学
pp.434-435
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101858
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- 文献概要
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
いずれも抗ENA抗体または抗非ヒストン核蛋白抗体に属する抗核抗体(anti-nuclear antibody:ANA)の1つである.Sjögren症候群(SS)の患者血清より発見されたため,Sjögren症候群A(SS-A),Sjögren症候群B (SS-B)の名がつけられた.また,これらの抗体が最初に発見された患者のイニシャルをとってRo, Laの名がつけられた.Ro/SS-A抗原は蛋白合成の調節に関与するY1~5と呼ばれる低分子RNAと60kDa, 53kDa蛋白との結合体で,主として細胞質に存在する.La/SS-B抗原はtRNA, 5SrRNA, 7SRNAなどの低分子RNAと結合した50kDaの核内リン酸化蛋白で,tRNAの合成に関与する蛋白体と考えられている.
抗Ro/SS-A抗体は単独で発現するが,抗La/SS-B抗体の単独発現は極めて稀で,ほぼ常時抗Ro/SS-A抗体とともに出現する.これは,Ro/SS-A抗原がY-RNAを介して,La/SS-B抗原蛋白と結合体を形成しやすいという,両抗原の性状が関与しているといわれている.
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