増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体
太原 恒一郎
1
,
沢田 哲治
1
1東京医科大学病院リウマチ膠原病内科
pp.416-417
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223331
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検査の概要
二重免疫拡散法により同定された自己抗体であり,主にSjögren症候群(Sjögren syndrome:SjS)の診断に用いられる.抗SS-A抗体と抗SS-B抗体は,1961年にAndersenらがSjS患者の血清中に自己抗体を同定した報告にまで遡る.その後,1969年に二重免疫拡散法によりClarkらがSjSの血清中に抗Ro抗体を,1971年にMattioliらが当初に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の自己抗体として抗La抗体を同定した.これらの自己抗体は,1975年にAlspaughらがSjS患者の血清中に同定した抗SS-A抗体,抗SS-B抗体と同一であることから,抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体と称される.
抗SS-A/Ro抗体が認識するSS-A抗原は,細胞質低分子RNAを結合した52kDaと60 kDa蛋白質からなるリボ核蛋白質複合体である.抗SS-B/La抗体が認識するSS-B抗原は,細胞核内の47kDa蛋白(RNAポリメラーゼⅢのtranscription termination factor)である.近年は二重免疫拡散法に加えて,精製またはリコンビナント抗原を用いたELISA(酵素免疫測定法)でも測定される.
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