Japanese
English
症例報告
足趾爪甲下に生じたsymplastic glomus tumorの1例
A case of symplastic glomus tumor developing beneath the toenail
齋藤 龍一
1,2
,
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Ryuichi SAITO
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
symplastic glomus tumor
,
足趾
,
爪下
Keyword:
symplastic glomus tumor
,
足趾
,
爪下
pp.1051-1055
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206220
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要約 62歳,女性.初診の約10年前より右母趾爪部に圧痛があり,半年前より爪甲基部に紫紅色斑が出現した.初診時,右母趾爪甲基部に幅5mmの淡紫紅色斑があり,爪甲先端に亀裂がみられた.臨床像よりグロムス腫瘍と診断し,爪母下より腫瘍を摘出した.組織像ではシート状に増殖する卵円形のグロムス細胞に混じて核異型の顕著な腫瘍細胞が散在していた.核分裂像はみられなかった.Symplastic glomus tumorと診断し,術後2年5か月経過観察したが,再発はなかった.Symplastic glomus tumorはきわめて稀な疾患であり,これまで論文報告例は自験例を含め内外合わせて22例と少ない.核異型が強いため一見悪性を疑う組織像を呈するが,完全切除が得られれば再発することはなく良性の経過を辿る.本症の存在を認識しておくことは,過剰な治療を避けるうえで重要である.
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