Japanese
English
症例報告
後天性反応性穿孔性膠原線維症を合併した水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid complicated with acquired reactive perforating collagenosis
齋藤 真衣
1
,
倉田 麻衣子
1
,
宮川 秀美
1
,
山崎 好美
1
,
佐藤 洋平
1
,
大山 学
1
Mai SAITO
1
,
Maiko KURATA
1
,
Hidemi MIYAGAWA
1
,
Yoshimi YAMAZAKI
1
,
Yohei SATO
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
後天性反応性穿孔性膠原線維症
,
水疱性類天疱瘡
,
結節性病変
,
結節性類天疱瘡
Keyword:
後天性反応性穿孔性膠原線維症
,
水疱性類天疱瘡
,
結節性病変
,
結節性類天疱瘡
pp.957-962
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206199
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要約 74歳,女性.2型糖尿病に対しDPP-4阻害薬を内服開始4か月後より瘙痒感,皮疹が出現し,内服中止後も症状改善せず受診した.中央に角栓を付す紅色結節が全身に多発し,一部に浮腫性紅斑や水疱もみられた.抗BP180抗体の上昇と,紅斑部の皮膚生検所見にて表皮基底層の空胞変性と真皮浅層に好酸球浸潤を認め,直接蛍光抗体法でC3,IgGの基底膜への線状沈着がみられたことから水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)と考え,プレドニゾロン1mg/kg/日の内服を開始したところ,浮腫性紅斑は速やかに軽快したが,瘙痒感と紅色結節は遷延した.結節部では好塩基性の壊死物質および膠原線維束の排出を認めた.以上より後天性反応性穿孔性膠原線維症(acquired reactive perforating collagenosis:ARPC)を合併したBPと診断した.BPに伴う結節性病変としてARPC,結節性類天疱瘡,結節性痒疹の鑑別が問題となるが,自験例ではBPと明らかに異なる病理組織像,臨床経過を呈しており鑑別しえた.
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