Japanese
English
症例報告
偽性高クロール血症を伴った臭素疹の1例
A case of bromoderma with pseudo-hyperchloremia
小林 祐香莉
1
,
池田 英里
1
,
梅垣 知子
1
,
石崎 純子
1
,
田中 勝
1
Yukari KOBAYASHI
1
,
Eri IKEDA
1
,
Noriko UMEGAKI
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
キーワード:
臭素疹
,
bromoderma
,
偽性高Cl血症
,
抗てんかん薬
Keyword:
臭素疹
,
bromoderma
,
偽性高Cl血症
,
抗てんかん薬
pp.963-968
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206200
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要約 男児.難治性てんかんに対して約1年前から臭化カリウムを内服していたが,内服7か月後から紅色皮疹が全身に拡大した.伝染性膿痂疹の診断で抗菌薬内服を受けたが改善なく,当科を受診した.初診時,全身に紅斑と紅色丘疹が多発し,痂皮と膿疱を伴っていた.病理組織学的には真皮の血管周囲と膠原線維間に好酸球に富む炎症細胞浸潤があった.血液検査では血清クロール(Cl)濃度120mEq/lと高値であり,臭化カリウムによる臭素疹を疑い漸減したところ,皮疹は軽快し,血清Cl濃度も正常化した.臭素疹の診断や病勢の評価には血清臭化物イオン(Br)濃度の測定が有用だが,現在,国内では血清Br濃度の測定は困難であり,同じハロゲン元素であるClの測定がBrの代用として診断の一助となると考えられた.
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