Japanese
English
症例報告
胸部に生じた血管肉腫の1例
A case of angiosarcoma on the chest
川原 祐
1,2
,
山本 洋輔
1
,
外川 八英
1
,
末廣 敬祐
1
,
松江 弘之
1
Yu KAWAHARA
1,2
,
Yosuke YAMAMOTO
1
,
Yaei TOGAWA
1
,
Keisuke SUEHIRO
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
2国保直営総合病院君津中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Chiba University Graduate School of Medicine, Chiba, Japan
2Division of Dermatology, Kimitsu Chuo Hospital, Kisarazu, Japan
キーワード:
血管肉腫
,
体幹部
,
単発性結節
,
CD31
,
D2-40
Keyword:
血管肉腫
,
体幹部
,
単発性結節
,
CD31
,
D2-40
pp.907-912
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206186
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要約 67歳,男性.初診3年前に前胸部の紅色結節を自覚した.2年前より出血するようになったために近医を受診した.液体窒素冷凍凝固術を施行されたが改善せず,生検したところ,低分化の肉腫と診断され当科に紹介された.前胸部に2.5×2.5cm大の潰瘍を有する紅色の有茎性結節を認めた.1cmマージンで全摘皮膚生検術を施行した.病理組織学的には明瞭な核小体を持つ異型な核と,紡錘形ないし多辺形の細胞質を持つ異型細胞が胞巣を形成していた.免疫組織学的には,D2-40,CD31が陽性であり,CD34が陰性であることより血管肉腫と診断した.術後5年ほど経過しているが,明らかな再発・転移を認めていない.非頭頸部の血管肉腫の予後は良好とする報告がある.その理由として頭頸部と比較して切除マージンが取りやすい,完全切除が容易な単発性結節型が多い可能性,リンパ管への分化傾向を有している可能性が考えられた.
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