Japanese
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症例報告
左前腕に生じた有茎性巨大汗孔腫の1例と当院の汗孔腫症例のまとめ
A case of giant pedunculated poroma on the left forearm and summary of poroma cases in our hospital
吉村 智子
1
,
長谷川 敏男
1
,
清水 智子
1
,
野口 篤
1
,
吉池 高志
1
,
三浦 圭子
2
,
池田 志斈
3
Tomoko YOSHIMURA
1
,
Toshio HASEGAWA
1
,
Tomoko SHIMIZU
1
,
Atsushi NOGUCHI
1
,
Takashi YOSHIIKE
1
,
Keiko MIURA
2
,
Shigaku IKEDA
3
1順天堂大学医学部附属静岡病院皮膚・アレルギー科
2東京医科歯科大学医学部附属病院病理部・病理診断科
3順天堂大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology and Allergology, Juntendo University Shizuoka Hospital, Izunokuni, Japan
2Division of Pathology, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
汗孔腫
,
有茎性腫瘍
,
汗孔癌
Keyword:
汗孔腫
,
有茎性腫瘍
,
汗孔癌
pp.783-786
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206159
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要約 74歳,男性.7年前に左前腕の腫瘤を自覚し,増大したため当科を受診した.赤褐色,60×50×30mm大の弾性軟,可動性良好,易出血性の有茎性腫瘤があり,所々にびらんを形成し,滲出液と悪臭を伴っていた.局所麻酔下で全切除したところ,病理組織学的所見では異型性の乏しい孔細胞と小皮縁細胞で構成され,表皮と連続して真皮内に索状に伸びて吻合増生していた.異型性は乏しく,汗孔腫と診断した.2008〜2017年の10年間に当院で汗孔腫と診断された症例を検討した.性差は男:女=15:17,切除時年齢は平均71.7歳,罹患期間は平均6.6年,腫瘍径は平均16.3mm,部位は下肢38%,上肢28%,頭頸部22%,形状はドーム型が75%,有茎性のものは25%であった.汗孔腫は汗孔癌を生じるリスクがあること,非侵襲的な方法で汗孔癌と汗孔腫を確実に鑑別するのは難しいことから,早期に切除することが望ましい.
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