Japanese
English
症例報告
腹壁瘢痕ヘルニアを合併した臍部子宮内膜症の1例
A case of umbilical endometriosis complicated with ventral incisional hernia
水野 綾音
1
,
福屋 泰子
1
,
石黒 直子
1
Ayane MIZUNO
1
,
Yasuko FUKUYA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
臍部腫瘤
,
子宮内膜症
,
腹壁瘢痕ヘルニア
,
腹腔鏡
Keyword:
臍部腫瘤
,
子宮内膜症
,
腹壁瘢痕ヘルニア
,
腹腔鏡
pp.771-775
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206157
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要約 40歳,女性.28歳時に卵巣子宮内膜症で腹腔鏡手術を行った.初診の1年前より月経時に臍部の疼痛と臍の両側に結節が出現し増大した.2か月前に月経時に臍部左側から出血があり,当科受診.初診時,臍の右側に径2cmで常色の弾性軟の結節があり,臍の左側に5×10mmの紅色結節を認めた.両結節の腹腔内への連続性をみるためにCTを施行したところ,臍右側の結節は腹壁瘢痕ヘルニアであった.臍左側の紅色結節の病理組織像では,表皮は不規則に肥厚し,真皮には1層の円柱細胞からなる腺腔構造がみられた.腺腔周囲にはCD10で染色される間質細胞を認め,臍部子宮内膜症と診断した.今回,ヘルニアの内容は脂肪であったが,場合により安易な生検での腸管への侵襲も危惧された.臍部子宮内膜症が常色の結節を呈しうることを十分に認識し,術後瘢痕部の子宮内膜症ではヘルニアの合併を念頭に置いて,画像検査を優先する必要があると考えた.
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