Japanese
English
症例報告
ヒドロキシウレア長期投与中に生じた下肢有棘細胞癌の1例
A case of squamous cell carcinoma on the left dorsal foot during long-term hydroxyurea treatment
鹿毛 勇太
1
,
袋 幸平
1
,
大須賀 裕子
1
,
泉 佳菜子
1
,
中村 和子
1
,
蒲原 毅
1
Yuta KAGE
1
,
Kohei FUKURO
1
,
Yuko OSUGA
1
,
Kanako IZUMI
1
,
Kazuko NAKAMURA
1
,
Takeshi KAMBARA
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University Medical Center, Yokohama, Japan
キーワード:
ヒドロキシウレア
,
有棘細胞癌
Keyword:
ヒドロキシウレア
,
有棘細胞癌
pp.733-736
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206146
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要約 84歳,男性.職業はいけばな講師.本態性血小板血症に対してヒドロキシウレアを長期内服中に,左足背にびらんを伴う結節が生じた.ブラクデシンナトリウム軟膏による外用療法が施行されたが症状は改善せず,皮膚生検により有棘細胞癌と診断された.ヒドロキシウレアによる薬剤性皮膚潰瘍に正座による慢性刺激が加わり有棘細胞癌が発症したと考えられた.治療として,有極細胞癌に対し外科的切除術を施行し,ヒドロキシウレアをブスルファンへ変更した.ヒドロキシウレア長期投与例では,有棘細胞癌など皮膚悪性腫瘍が露光部に生じ得ることが知られているが,非露光部であっても皮膚潰瘍が生じた部位に外的刺激が慢性に加わることで有棘細胞癌など皮膚悪性腫瘍が生じ得る可能性がある.皮膚潰瘍と診断しても,漫然と潰瘍処置を継続せずに,内服薬などの病歴を詳細に確認し,組織学的検査を用いて悪性腫瘍を見逃さないことが重要である.
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