Japanese
English
症例報告
陰茎亀頭部に生じた有棘細胞癌の1例
A case of squamous cell carcinoma in the glans penis
宇都宮 慧
1
,
飯野 志郎
1
,
馬場 夏希
1
,
知野 剛直
1
,
高嶋 渉
1
,
徳力 篤
1
,
長谷川 稔
1
Akira UTSUNOMIYA
1
,
Shiro IINO
1
,
Natsuki BABA
1
,
Takenao CHINO
1
,
Wataru TAKASHIMA
1
,
Atsushi TOKURIKI
1
,
Minoru HASEGAWA
1
1福井大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Fukui University School of Medicine, Fukui, Japan
キーワード:
陰茎癌
,
有棘細胞癌
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
HPV16型
,
陰茎部分切断術
Keyword:
陰茎癌
,
有棘細胞癌
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
HPV16型
,
陰茎部分切断術
pp.597-601
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204836
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要約 63歳,男性.10年前に亀頭部に紅斑が出現し,緩徐に増大してきた.初診時には亀頭部全体にびらんを伴う紅斑がみられ,病変は外尿道口まで及んでいた.皮膚部分生検でQueyrat紅色肥厚症を疑い,拡大切除術を施行した.摘出標本中に腫瘍細胞の海綿体への浸潤がみられ,陰茎亀頭部に生じた有棘細胞癌と診断した.PCR法にてHPV16型が検出され,腫瘍発生への関与が示唆された.NCCNの陰茎癌診療ガイドラインを参考に,追加で陰茎部分切断術およびセンチネルリンパ節生検術を施行した.切除標本の断端は陰性で,センチネルリンパ節に腫瘍細胞の転移はみられなかった.現在まで再発・転移はなく,排尿機能も保たれており,良好な結果を得た.自験例ではセンチネルリンパ節生検を施行し,腫瘍の広がりを適切に評価することで鼠径部郭清を回避でき,治療侵襲を最小限にすることができた.
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