Japanese
English
症例報告
抗MDA5抗体と抗EJ抗体が陽性となった若年性皮膚筋炎の1例
A case of juvenile dermatomyositis with positive anti-MDA5 and anti-EJ antibodies
日髙 友梨
1
,
満間 照之
1
,
村上 めぐみ
1
,
上野 絵里香
1
,
水田 三由希
1
,
相山 明輝
1
Yuri HIDAKA
1
,
Teruyuki MITSUMA
1
,
Megumi MURAKAMI
1
,
Erika UENO
1
,
Miyuki MIZUTA
1
,
Akiteru AIYAMA
1
1一宮市立市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ichinomiya Municipal Hospital, Ichinomiya, Japan
キーワード:
若年性皮膚筋炎
,
複数の自己抗体
,
抗MDA5抗体
,
抗EJ抗体
Keyword:
若年性皮膚筋炎
,
複数の自己抗体
,
抗MDA5抗体
,
抗EJ抗体
pp.703-709
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206141
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要約 5歳,女児.頰部紅斑,手足に紅斑が出現し,近医でステロイドを外用するも改善せず.次第に,全身倦怠感,近位筋の筋力低下,食欲低下,体重減少と弛張熱が出現した.両頰部のびまん性紅斑と手指のMP関節,PIP関節にGottron丘疹,逆Gottronがあり,爪囲紅斑も目立った.下肢MRIで大腿四頭筋に高信号あり,抗MDA5抗体と抗EJ抗体が陽性であった.以上より,2つの抗体が陽性の若年性皮膚筋炎と診断した.成人の皮膚筋炎と同様,若年性皮膚筋炎も抗体と臨床的特徴の関連付けがある.抗MDA5抗体は,間質性肺炎と関連する.一方で抗ARS抗体は,筋炎,間質性肺炎,関節炎,Raynaud症状に,発熱とMechanic's handsを有することが多いが,小児での同抗体の陽性例は稀である.しかし今回のように2種類の抗体が共存することがあるため,患者において1つの自己抗体が陽性であってもその他の自己抗体のスクリーニングを行うことや抗体特有の臨床症状に注視していくことが重要である.
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