Japanese
English
症例報告
原発性肺癌を合併した悪性黒色腫の3例
Three cases of double cancer of malignant melanoma and lung cancer
上野 絵里香
1
,
満間 照之
1
,
村上 めぐみ
1
,
日高 友梨
1
,
水田 三由希
1
,
相山 明輝
1
Erika UENO
1
,
Teruyuki MITSUMA
1
,
Megumi MURAKAMI
1
,
Yuuri HIDAKA
1
,
Miyuki MIZUTA
1
,
Akiteru AIYAMA
1
1一宮市立市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ichinomiya Municipal Hospital, Ichinomiya, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
重複癌
,
肺癌
Keyword:
悪性黒色腫
,
重複癌
,
肺癌
pp.319-325
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206309
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要約 症例1:60歳,女性.左背部の悪性黒色腫Stage ⅡB切除後半年で肺腺癌が見つかり切除した.症例2:77歳,男性.左前腕の悪性黒色腫Stage ⅡB切除後3年で肺腺癌が見つかり切除した.症例3:74歳,女性.2年前より縦隔小細胞癌で治療中,左足踵の黒色結節が増大し悪性黒色腫の診断で切除した.センチネルリンパ節転移を認めStage ⅢBであった.胸部CTで肺癌を疑う結節影を認めた場合,充実型か部分充実型か,すりガラス型かで原発性か転移性かを推測できるが,病理検査による確定診断が必要である.近年p53遺伝子やPD-1リガンドなど多臓器に共通する癌の発症,増殖因子が解析され,重複癌が起こりうることが示された.また,高齢化により皮膚悪性腫瘍の他臓器癌合併が増加している.自験例でもフォロー中に肺癌の合併を発見しえた症例では早期の診断や治療を行うことができた.悪性黒色腫の経過観察中,発見した他臓器の腫瘍病変が原発性か転移性かを正確に判断することで適切な治療へ結びつけることができる.
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