Japanese
English
症例報告
水疱性類天疱瘡に生じた慢性潰瘍性単純疱疹の1例
A case of chronic ulcerative herpes simplex arising in a patient with bullous pemphigoid
岡本 修
1
,
市川 弘城
2
,
蒲池 綾子
3
,
橋本 裕之
4
Osamu OKAMOTO
1
,
Hiroki ICHIKAWA
2
,
Ayako GAMACHI
3
,
Hiroyuki HASHIMOTO
4
1大分市医師会立アルメイダ病院皮膚科
2皮膚科市川医院
3大分市医師会立アルメイダ病院病理部
4大分市医師会立アルメイダ病院形成外科
1Division of Dermatology, Oita City Medical Association's Almeida Memorial Hospital, Oita, Japan
2Ichikawa Dermatologic Clinic, Oita, Japan
3Division of Pathology, Oita City Medical Association's Almeida Memorial Hospital, Oita, Japan
4Division of Plastic Surgery, Oita City Medical Association's Almeida Memorial Hospital, Oita, Japan
キーワード:
慢性潰瘍性単純疱疹
,
慢性ヘルペス感染症
,
臀部皮膚潰瘍
,
水疱性類天疱瘡
Keyword:
慢性潰瘍性単純疱疹
,
慢性ヘルペス感染症
,
臀部皮膚潰瘍
,
水疱性類天疱瘡
pp.627-632
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206123
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要約 87歳,女性.水疱性類天疱瘡に対してステロイドを内服中,臀部に壊死組織を伴う多発性の潰瘍が出現した.生検の結果,毛包様構造の上皮にすりガラス状の核を持った変性表皮細胞,真皮に同様の核を持つ大型の細胞が認められた.一部の表皮細胞と真皮の大型の細胞は2型単純疱疹ウイルス抗原が陽性であった.このため臀部の潰瘍をヘルペス性毛包炎に続発した慢性潰瘍性単純疱疹と診断した.アシクロビルの投与後,潰瘍は上皮化傾向を示した.免疫抑制患者の臀部や陰部の難治性潰瘍では慢性潰瘍性単純疱疹の可能性があり,病変部のヘルペス感染の精査を行うことが有用であると考えられた.また,ヘルペス性毛包炎は通常水痘・帯状疱疹ウイルスにより惹起される稀な病型である上,自験例は2型単純疱疹ウイルスにより惹起されたと考えられるため希少例として併せて報告する.
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