Japanese
English
症例報告
多彩な臨床像を呈した木村病の1例
A case of Kimura's disease presenting various clinical features
飛田 璃恵
1,2
,
内山 真樹
1,2
,
坪井 良治
2
Rie TOBITA
1,2
,
Masaki UCHIYAMA
1,2
,
Ryoji TSUBOI
2
1新座志木中央総合病院皮膚科
2東京医科大学皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Niizashiki Central General Hospital, Niiza, Japan
2Department of Dermatology, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
木村病
,
angiolymphoid hyperplasia with eosinophilia
,
顔面
,
好酸球
,
リンパ濾胞
Keyword:
木村病
,
angiolymphoid hyperplasia with eosinophilia
,
顔面
,
好酸球
,
リンパ濾胞
pp.424-428
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205119
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要約 47歳,男性.初診の1か月前より左頰部に腫脹を自覚し,当科を受診した.左頰部から左鼻部にかけて軽度の熱感と瘙痒を伴う腫脹を認め,血液検査では,好酸球,IgEの上昇がみられた.病理組織学的に,好酸球とリンパ球の浸潤を伴う血管の増生と血管内皮細胞の腫大を認めた.左頰部の腫脹は消失したが,その後,左下顎に瘙痒を伴う多発する紅色結節が出現した.下顎部の結節の病理組織像は,表皮から皮下脂肪織に好酸球の浸潤を伴うリンパ球の密な浸潤とリンパ濾胞の形成を認めた.Angiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaとの鑑別を要したが,臨床および病理組織学的所見より木村病と診断した.ステロイド内服療法にて皮疹は消退傾向を示した.木村病は臨床像が多彩となることがあり,経過中に適宜皮膚生検を施行し,評価することが重要である.
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