発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2001164119
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症例は84歳の女性で,右後頸部の無痛性リンパ腫大と左顎下部の無痛性皮下腫瘤を指摘され,左顎下腺悪性腫瘍とそのリンパ節転移を疑われ,入院となった.体幹・四肢にそう痒が強く,掻破痕を多数認めた.生化学検査でIgEが480U/mlと上昇していた.骨髄検査では,好酸球が全有核細胞の36%を占め,著明な好酸球増多を認めたが,異型細胞は認めなかった.頸部CT検査では,左顎下腺腫大と同部及び右側頸部のリンパ節腫大を認めた.右後頸部の表在リンパ節の生検では,リンパ節周囲の脂肪組織に著しい好酸球浸潤と内皮細胞の腫大した小~中等大の血管増生を認めた.臨床所見と合わせ木村病と診断した.そう痒に対し,crotamitonの外用と,ketotifen fumarate及びmequitazineの内服投与で腫瘤とリンパ節腫大は縮小傾向をみせ,皮膚そう痒も消失した.発症後2ヵ月で症状は完全に消失した.文献上の最高齢症例と考えられ報告した
©Nankodo Co., Ltd., 2001