Japanese
English
症例報告
木村病の2例
Two Cases of Kimura's Disease
市川 澄子
1
,
寺西 好治
1
,
清水 正之
1
Sumiko ICHIKAWA
1
,
Yoshiharu TERANISHI
1
,
Masayuki SHIMIZU
1
1三重大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Mie University School of Medicine
キーワード:
木村病
Keyword:
木村病
pp.1245-1249
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204251
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木村病の2例を報告した.症例1は33歳女性で,15年前より右上腕内側の皮下腫瘤があり,手掌大に増大した.症例2は47歳男性で,5年前より両側耳介周囲に鶏卵大の凹凸不整の隆起性局面があった.いずれも組織像では,真皮から皮下組織にかけてリンパ濾胞様構造を伴う好酸球,小円形細胞の多数の浸潤,血管の新生および肥満細胞の増生をみ,さらに症例1では濾胞様構造に一致してIgEが網状に存在した.一般検査では,2例とも末梢血好酸球数および血清IgE値の上昇を認めた.合併症状として,症例1ではクインケ浮腫,蕁麻疹,痒疹,症例2では喘息,痒疹を伴った.治療は2例ともプレドニゾロン30mg/日投与し,症例1では60Co照射を併用した.症例1では腫瘤は消失しているが,クインケ浮腫,蕁麻疹は時々出現し,症例2では現在もプレドニゾロン5mg/日投与中であるが,腫瘤は完全には消失していない.
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