Japanese
English
症例報告
顕微鏡的神経周囲浸潤を伴った左頰部のモルフェア型基底細胞癌の1例
A case of morpheaform basal cell carcinoma with microscopic perineural invasion on the left cheek
手塚 純子
1
,
加来 洋
1
,
山村 健太郎
1
,
江川 形平
1
,
本田 哲也
1
,
大日 輝記
1
,
椛島 健治
1
Junko TEZUKA
1
,
Yo KAKU
1
,
Kentaro YAMAMURA
1
,
Gyohei EGAWA
1
,
Tetsuya HONDA
1
,
Teruki DAINICHI
1
,
Kenji KABASHIMA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
モルフェア型
,
顕微鏡的神経周囲浸潤
,
耳下腺浸潤
,
術後放射線治療
Keyword:
基底細胞癌
,
モルフェア型
,
顕微鏡的神経周囲浸潤
,
耳下腺浸潤
,
術後放射線治療
pp.411-416
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206073
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 86歳,男性.約10年前から増大する左頰部の硬結で前医を受診した.2cm大の硬結および表面に1cm程の灰色局面を認め,微小な潰瘍を伴っていた.臨床像および組織像より基底細胞癌と診断し,5mmマージンで切除したところ,モルフェア型基底細胞癌であり,組織学的に神経周囲浸潤(腫瘍細胞が神経の周囲または内部に浸潤している状態)を認めた.病変は一部で耳下腺浅葉内にも浸潤しており,追加で耳下腺浅葉および咬筋の一部を切除した.複数の再発リスク因子(頰で6mm以上,境界不明瞭,組織型がモルフェア型,神経周囲浸潤あり)に該当し,また高齢ではあったが重篤な基礎疾患がなかったことから術後放射線治療を施行した.基底細胞癌における顕微鏡的神経周囲浸潤について,術後放射線治療の適応は確立されていないが,術後放射線治療を行った場合の成績は良好とされている.再発のリスク因子や患者背景を考慮し,個別に適応を検討すべきと考えた.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.