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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
4.皮膚疾患治療のポイント
Behçet病の口腔内アフタ性潰瘍とアプレミラスト
Apremilast for oral aphthous ulcers in Behçet's disease
菊地 弘敏
1
Hirotoshi KIKUCHI
1
1帝京大学医学部内科学講座
1Department of Internal Medicine, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Behçet病
,
口腔内アフタ性潰瘍
,
アプレミラスト
,
PDE4阻害薬
,
ホスホジエステラーゼ4阻害薬
,
炎症性サイトカイン
Keyword:
Behçet病
,
口腔内アフタ性潰瘍
,
アプレミラスト
,
PDE4阻害薬
,
ホスホジエステラーゼ4阻害薬
,
炎症性サイトカイン
pp.103-107
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206032
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summary
Behçet病(以下,ベーチェット病)(Behçet's disease)では,口腔内アフタ性潰瘍は必発で,長年にわたり患者を悩ませる症状である.この症状に対して,経口投与可能な低分子薬であるアプレミラストが,日本人患者を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験において,ベーチェット病患者の口腔内潰瘍数と口腔内潰瘍疼痛VASスコアを有意に低下させた.口腔内潰瘍の適応のみであるが,2019年9月に保険収載され,『ベーチェット病診療ガイドライン2020』にも取り上げられている.副作用として下痢,悪心,頭痛などを認めるため,アプレミラスト投与開始時はスターターパックを用いて漸増投与を行う必要があるが,これまでに重篤な合併症は報告されていない.アプレミラストは,ホスホジエステラーゼ4(PDE4)を阻害し,炎症性サイトカインを制御することで抗炎症作用を示すが,この作用機序から考えれば,口腔内潰瘍以外への効果も検討する価値がある.
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