症例
Heavy-chain(γ-chain)病の1症例—骨髄腫型をとった本邦第1例目の臨床像と最近の知見
辻 孝夫
1
,
小林 敏成
2
,
山田 剛太郎
2
1岡大・第1内科
2岡大・内科
pp.501-507
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204059
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血清中および尿中に,免疫グロブリンの中のγGをパパインで消化した際にできるFc fragment(図1)に似た蛋白をmono-clonalにみとめるheavy-chain(γ-chain)病1)は,世界中に16例2)あるとされるが,その予後は悪く,筆者ら3-6)の本邦第1例目の症例(Yo,H. 例)を除いて現在生存している症例はない.
そして,このheavy-chain(γ-chain)病蛋白は,免疫グロブリンの構造や抗体蛋白の生合成に関する遺伝的支配の諸問題などという免疫学の基本的問題解明の非常に貴重な資料として、現在世界の第一線研究者によって検討されているが,本稿では,筆者らの症例の臨床像を記載するとともに若干の最近の知見を加える.
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