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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
3.新しい検査法と診断法
掌蹠膿疱症における金属アレルギーの対応
How to treat metal allergy for palmoplantar pustulosis
伊藤 明子
1
Akiko ITO
1
1ながたクリニック
1Nagata Clinic, Niigata, Japan
キーワード:
掌蹠膿疱症
,
金属アレルギー
,
パッチテスト
,
歯科金属
,
歯性病巣
Keyword:
掌蹠膿疱症
,
金属アレルギー
,
パッチテスト
,
歯科金属
,
歯性病巣
pp.77-80
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206022
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summary
歯科金属アレルギーは扁桃病巣や喫煙と並んで掌蹠膿疱症の発症要因の1つとされるが,歯科金属を除去しても症状が改善しない症例がある.われわれは金属パッチテストを実施した掌蹠膿疱症257例を対象に歯科金属除去と金属含有食品の摂取制限の効果について,歯性病巣や扁桃病巣治療の影響も併せて調査した.歯科金属除去例に治癒した症例はなく,パッチテスト陽性金属を含む補綴物を除去せずに治癒した症例があった.治癒例のほとんどが歯性病巣の治療を受け,半数近くは扁桃を摘出した.歯科金属除去後に著明改善または改善した症例も,その多くが歯性病巣を同時に治療された.歯科金属除去群と非除去群で皮膚所見の改善度に有意差はなく,歯科金属除去を検討する前に病巣感染の治療を優先して良いと結論した.ただしニッケル(Ni)については,Ni含有歯科金属の除去やNi含有食品の摂取制限が有効な症例があり,病巣を除いた上でNi除去を検討して良いと考える.
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