Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
3.新しい検査法と診断法
重症薬疹(Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症)のバイオマーカー
The biomarkers of Stevens-Johnson syndrome and toxic epidermal necrolysis
濱 菜摘
1
,
阿部 理一郎
1
Natsumi HAMA
1
,
Riichiro ABE
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科
1Department of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata, Japan
キーワード:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
toxic epidermal necrolysis
,
バイオマーカー
,
galectin-7
,
RIP3
Keyword:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
toxic epidermal necrolysis
,
バイオマーカー
,
galectin-7
,
RIP3
pp.66-70
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206018
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
summary
Stevens-Johnson症候群(Stevens-Johnson syndrome:SJS)/中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)は代表的な重症薬疹であり,眼や呼吸器などの後遺症を残すだけでなく,死亡率もいまだ高い.病初期に治療を開始することが患者の予後を左右する一方,病初期の臨床像は多形紅斑などの通常型の薬疹と鑑別が困難である.これまでgranulysinやsFasLなどがSJS/TENの発症早期から上昇し,特にgranulysinは早期診断のバイオマーカーとして有用とされたが,実際は薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)などの他の薬疹や急性肝炎,移植片対宿主病などでも同様に検出される.最近われわれは新たに疾患特異的なバイオマーカーとなりうるgalectin-7とRIP3を見出した.稀な疾患ではあるが致死的となりうる重症薬疹の診断において有用と考えられるこれらのバイオマーカーの今後の臨床応用が期待される.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.