今月の表紙 電気泳動の解析シリーズ・8
γH鎖病(Gamma heavy chain disease)蛋白
大竹 皓子
1
Teruko OTAKE
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.828-830
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101120
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1.はじめに
免疫グロブリンは,2本の相同のH鎖とL鎖が鎖間のS-S結合で結合した4本のポリペプチド鎖の基本構造からなる.H鎖病では免疫グロブリンのL鎖を欠損したH鎖の不完全分子が産生される.1964年にFranklinら1)がγH鎖病を初めて報告し,これまでに100例余の報告例がある.γH鎖病以外にもα鎖病,μ鎖病,δ鎖病についての症例報告がある.
いずれもL鎖をもたない不完全分子のH鎖が血清や尿中に出現するのが特長で,リンパ増殖性疾患の病態を呈するが,それぞれ特有の病像をもつ疾患とされている.
ここでは慢性関節リウマチ(RA)の48歳の患者に認めたγH鎖病蛋白像を示した.
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