Japanese
English
症例報告
骨髄異形成症候群を合併したステロイド治療抵抗性壊疽性膿皮症にアダリムマブが奏効した1例
A case of steroid-resistant pyoderma gangrenosum associated with myelodysplastic syndrome successfully treated with adalimumab
長岡 さゆこ
1
,
林 周次郎
1
,
岡本 麻希
1
,
森 ひとみ
1
,
安達 夏紀
1
,
野中 一輝
1
,
宮本 沙織
1
,
吉田 愛
1
,
渡邉 千智
1
,
井川 健
1
Sayuko NAGAOKA
1
,
Syujiro HAYASHI
1
,
Maki OKAMOTO
1
,
Hitomi MORI
1
,
Natsuki ADACHI
1
,
Kazuki NONAKA
1
,
Saori MIYAMOTO
1
,
Ai YOSHIDA
1
,
Chisato WATANABE
1
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University School of Medicine, Tochigi, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
骨髄異形成症候群
,
アダリムマブ
,
抗TNF-α抗体阻害薬
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
骨髄異形成症候群
,
アダリムマブ
,
抗TNF-α抗体阻害薬
pp.179-183
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207212
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要約 60歳,女性.1か月前より右頰部に痤瘡様の皮疹が出現し,徐々に拡大し潰瘍化した.組織学的検討や培養検査結果を含めて検討し,壊疽性膿皮症と診断した.経過中に汎血球減少を認め骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes : MDS)と診断された.プレドニゾロン1 mg/kg/日(50 mg/日)投与で治療開始したが難治であったため,血液内科と相談の上,アダリムマブを併用し症状は改善した.2019年壊疽性膿皮症の治療にアダリムマブが追加承認されたが,血液疾患を合併する症例への使用は少ない.もともとMDS合併の壊疽性膿皮症は難治例が多く,これまでは治療に難渋していたものと考えられる.血液疾患に対する抗TNF-α抗体の使用は慎重な対応が望まれるが,近年アダリムマブがMDSに有効であったとする報告も散見される.このことからも,MDSを合併する壊疽性膿皮症に対しては,アダリムマブによる治療を考慮してもよいのではと考えた.
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