Japanese
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臨床経験
t(12;22)染色体が認められた明細胞肉腫の1例
Translocation t (12;22) in Clear Cell Sarcoma ; A Case Report
吉野 恭正
1,2
,
関根 紀一
1
,
金子 安比古
3
,
出雲 俊之
4
Yasumasa Yoshino
1,2
1埼玉県立がんセンター整形外科
2現:小川赤十字病院整形外科
3埼玉県立がんセンター臨床検査部
4埼玉県立がんセンター臨床病理部
1Department of Orthopaedic Surgery, Saitama Cancer Center
キーワード:
明細胞肉腫
,
clear cell sarcoma
,
t(12;22)染色体
,
translocation t(12;22)
Keyword:
明細胞肉腫
,
clear cell sarcoma
,
t(12;22)染色体
,
translocation t(12;22)
pp.673-676
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901646
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抄録:明細胞肉腫は20~40歳代成人下肢の腱や腱膜に好発するまれな軟部悪性腫瘍である.近年,悪性腫瘍と染色体異常との密接な関係が明らかになり,t(12;22)染色体が本症の特徴と考えられている.同染色体が認められた本症の1症例を報告する.本例は同染色体が認められた報告例として本邦初例と思われる.症例は25歳,女性.左膝の腫脹と左足のしびれがあり,左膝軟部腫瘍の診断にて当科を紹介された.腫瘍は長腓骨筋腱に存在し,組織学的には卵円形あるいは紡錘形の細胞で,淡明あるいは好酸性の細胞質を有し,メラニン顆粒が一部の細胞質内に認められた.染色体分析にて第12染色体長腕と第22染色体長腕との相互転座が認められた.本症はメラニン形成能を示す症例が多いことから,軟部悪性黒色腫と考えている人が多い.しかし皮膚に生じる悪性黒色腫の染色体異常としてt(12;22)染色体は認められていないことから本症と悪性黒色腫とは別々の腫瘍と考えられる.
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