Japanese
English
症例報告
術後瘢痕部に生じたBowen病の1例
A case of Bowen's disease arising on the post-operative scar
小松 彩友香
1
,
遠藤 元宏
1
Sayuka KOMATSU
1
,
Motohiro ENDO
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構北海道病院皮膚科
1Division of Dermatology, Japan Community Healthcare Organization Hokkaido Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
術後瘢痕
,
Bowen病
Keyword:
術後瘢痕
,
Bowen病
pp.341-345
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205991
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要約 87歳,女性.14歳頃に急性虫垂炎の手術歴があり下腹部に術後瘢痕があった.当科初診2か月前より瘢痕部に紅色皮疹が出現し,初診時には同瘢痕部に14×18mm大の鱗屑や痂皮を付着し一部隆起する紅色局面を認めた.皮膚生検にてBowen病と診断し,紅色局面より4mm離し腫瘍を切除した.本邦における術後瘢痕部に皮膚悪性腫瘍が生じた症例と,瘢痕部にBowen病が生じた症例をまとめたところ,術後瘢痕部にBowen病が生じた症例は自験例のみであった.瘢痕形成後長期間経過していること,同部への慢性的な物理刺激の存在はBowen病が生じた一因と考えられた.これまで熱傷瘢痕部に生じた皮膚悪性腫瘍が多数報告されているが,それ以外の慢性的な物理刺激や張力が存在する瘢痕部であっても,皮疹が出現した際は皮膚悪性腫瘍を疑いなるべく早期に精査する必要がある.
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